「ぴったりな入れ歯」で咬む力を取り戻す

失ってしまった歯の機能を取り戻すための治療法のひとつに、義歯(入れ歯)があります。
入れ歯については、「硬いものもちゃんと咬めるのか?」「付けていて痛くないのか?」「うまくしゃべれるのか?」といったさまざまな不安をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、適正な入れ歯を使えば、快適に食事をしたり会話をしたりすることができます。

欠損歯を補う治療法

  インプラント治療
入れ歯治療
ブリッジ治療
歯牙移植
特徴
  • 見た目が自然
  • 装着時の違和感がほとんどない
  • 独立しているため周囲の歯にダメージを与えない
  • 咬む力が大きく回復する(80%程度)。
  • 外科手術が必要で治療期間が長い
  • 治療費が高価
  • 取り外しできない
  • 外科手術がないので高齢の方でも負担なく作れる
  • どんな症例にも対応する
  • 咬む力が回復する(40%程度)。
  • インプラントと比較すると安価
  • 治療期間が比較的短い
  • 自由に取り外して手入れができる
  • 見た目が自然
  • 装着時の違和感が少ない
  • 咬む力がある程度回復する(60%程度)。
  • インプラントと比較すると安価
  • 土台となる健康な歯を削る必要がある
  • 取り外しできない
  • ご自身の不用な親知らずを利用できる
  • 矯正治療が可能
  • 全てのケースに適応できない

1本でも抜けたらすぐに治療を

何らかの理由で歯が抜けてしまったら、補綴治療によって抜けた部分をすぐに補いましょう。「たかが1本」と甘く見てはいけません。そのまま放置するとそこから歯列が崩壊し、残りの歯全体を失うことになってしまいます。

歯が抜けた状態のままにしておくと、支えを失った隣の歯が少しずつ倒れていきます。傾きが大きくなると、その隣の歯も傾き始めます。そうこうするうちにすべての歯が倒れたりぶつかったりして、ダメージを負ってしまうのです。大切な天然歯を1本でも多く残すために、1本でも抜けたらすぐに治療を受けましょう。

合わない入れ歯にメリットなし

歯の機能を回復させるための補綴治療は主に3つありますが、そのなかでもっともポピュラーなのが入れ歯です。
しかし、入れ歯がお口に合わないと「しっかり咬めない」「痛い」「しゃべりにくい」などの障害が起こってしまいます。
それでは歯の機能を取り戻すどころか、何もいいことがありません。

動く入れ歯はバネのかかる歯を揺らし、やがてその歯は抜歯することになり、欠損の拡大が進むことになります。

お口にぴったりの入れ歯ができれば、こうした問題は生まれません。
「入れ歯だから仕方ないか」と諦めることなく、こだわってご自身のお口に合ったものを作りましょう。合わない入れ歯の多くは、保険治療の範囲内で製作したもの。
自費治療になると多少コストはかかりますが、それだけ精巧で咬み心地のよい入れ歯が手に入ります。

「保険」と「自費」の違い

保険適用の入れ歯は安価かつ短期間で製作できますが、選択肢が限られていることが難点。咬み心地もいいとはいえません。一方で自費の入れ歯は割高で製作に時間もかかりますが、その分オーダーメイド感覚で自分にぴったりの入れ歯を作ることができます。

  保険適用内 保険適用外(自費)
素材
レジン(歯科用プラスチック)のみ

金属をはじめとした
さまざまな素材のなかから選択
費用 安価 高価
製作期間 短い 長い
特徴
  • 床(歯茎にあたる部分)が厚く、違和感が出やすい
  • しっかりと咬めない
  • 飲食物の温度や味がわかりにくい
  • 見た目が自然ではない
  • 壊れやすいが修理も簡単
  • 床(歯茎にあたる部分)が薄い
  • 違和感が少ない
  • 保険適用の入れ歯より強く咬める
  • 床が金属製のものは、飲食物の温度が伝わりやすい
  • 見た目が自然で入れ歯だとわかりにくい
  • 壊れにくいが修理が難しいものもある

取り扱い入れ歯紹介

保険適用の総入れ歯
義歯床の素材は歯科用プラスチック。床が厚く、安定しないため違和感が強くなることもあるが、料金が安く修理がしやすいというメリットがある
ノンクラスプデンチャー(保険適応外)
バネを使わない半透明の入れ歯。見た目が自然で入れ歯を装着していることがわかりにくく、金属アレルギーの心配もない。薄く軽いので付け心地もよい。
マグネットデンチャー(保険適応外)
磁石で装着するため、歯にやさしい入れ歯。バネを使わないので見た目が自然で、残っている歯にも負担がかからない。
金属床(保険適応外)
(チタン・白金加金・コバルトクロム)
義歯床が金属でできている入れ歯。厚みがレジン床の約3分の1のため、口の中の違和感が少ない。熱伝導率が高いため、食べ物や飲み物の温度が伝わりやすい。

入れ歯症例

症例1(マグネットデンチャー)


  • before

  • after

  • マグネットデンチャー口腔内咬合面観

  • マグネットデンチャー下顎義歯内面観

症例2(オーバーデンチャー)

この症例は患者様の残すことができる天然歯を支台としました。


  • before

  • after

  • オーバーデンチャー(天然歯)after
    下顎口腔内咬合面観

  • オーバーデンチャー(天然歯)after
    上顎口腔内咬合面観

ブリッジという選択肢

ブリッジは、歯が抜けてしまった場合に両脇の歯を削って土台を作り、橋渡しをするように人工の歯を入れて欠損部分を回復する補綴物です。
支えになる両脇の歯には大きな負担がかかりますが、咬む力が60%程度まで回復する、見た目がよい、装着時の違和感が少ない、保険適用のものは安価で作れるなどさまざまなメリットがあるため、入れ歯と同様にポピュラーな治療法です。

メインテナンス時の注意点

ブリッジを付けると、歯のつなぎ目部分や歯根との境目付近に汚れが溜まりやすくなります。
ブリッジをできるだけ長持ちさせるためには、歯間ブラシ、スーパーフロスなどを併用した丁寧なブラッシングが欠かせません。当院では治療の際にブラッシングの指導も行っていますので、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

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